ファクタリングの掛目とは

一般的な掛目の意味

一般的には「担保掛目」と言われており、融資時の担保評価額と融資可能額の割合のことを言います。

担保掛目の詳細

担保掛目が持つ意味は、担保評価額と融資額に差を設けることで回収不能額を減らすことです。

不動産を担保にした場合、融資後に担保価値が下がる可能性があり、担保によって回収しようとした際に回収不能部分が発生することになります。

しかし担保掛目を設定することで担保評価額より融資額を少額とすれば、回収不能部分を減らすことが可能です。

もし掛目が80％であり、担保評価額が1,000万円であった場合、融資額の上限は800万円と担保評価額に対して差が生まれるため、担保評価額が下がったとしても回収不能額が少なくなります。

ファクタリングにおける掛目とは

売掛債権譲渡においては「仮押さえ金」として扱われています。

担保掛目との違い

担保とファクタリングでは、掛目を作り出す仕組みと資金の流れが異なります。

担保に対して設定する際には、担保評価額と融資額で掛目を作り出していますが、売掛債権譲渡では売掛債権額と買い取り額の差で作り出す点が違いです。

さらに、ファクタリングでは仮押さえ金として扱われるため、最終的には返金されますが、一時的な仮押さえ金として売掛債権買い取り会社に支払う必要があります。

そのため、無利息で融資を受け一括返済した場合は、借りた金額だけ返済するようになりますが、ファクタリングでは売掛債権額を利用会社、もしくは売掛先が支払うことになるため、仕組みと資金の流れに違いが生じます。

ファクタリング利用時の掛目の相場

ファクタリング掛目は、2社間と3社間で相場が異なります。

3社間は80％～90％

3社間による債権譲渡の仮押さえ金相場は、80～90％と高めに設定されています。

3社間は売掛先から債権買い取り会社に対して売掛代金が支払われ、回収不能リスクが低いため、相場も高めです。

2社間は70％～80％

2社間による債権譲渡の仮押さえ金は、70～80％と3社間よりも低めの設定です。

2社間では売掛代金が利用会社に支払われた後、利用会社から債権買い取り会社へ支払われるため回収不能となるリスクが高く、相場も低めになっています。

ファクタリングにおける掛け目と売買手数料の違い

掛目と売買手数料の違いは、最終的に返金されるか否かです。

手数料は返金されない

売買手数料は取引が完了しても返金されません。

債権買い取り会社が行う審査や手続きに必要となる金額が売買手数料であり、言わば「ファクタリングサービスの利用料金」のようなものであるため、利用会社の元には戻らないものです。

掛目は返金される

ファクタリング掛目は、売掛金の支払いが完了した後に利用会社へと返金されます。

「仮押さえ金」として一時的に支払うものであり、無事に売掛代金の支払いが行われれば、支払いを行った会社の元に戻される金額です。

ファクタリング会社を比較する際は掛け目に注意

債権買い取り会社選びでは、掛目に着目して比較する必要があります。

ファクタリング掛目が不要なところがある

ファクタリング会社によっては、仮押さえ金が不要なところもあります。

仮押さえ金の支払いを避けたいと考えている場合に有効ですが、仮押さえ金が不要な会社は手数料が高めに設定されていることが多く、最終的に手元に残る金額が少なくなる可能性もあるでしょう。

掛目を記載していないところがある

仮押さえ金の支払いが必要ながら、公式サイトや契約書に記載されていないこともあります。

掛目に関する記載がなければ、振込額に差が生じたり、本来なら返金されるべき仮押さえ金が返金されなかったりなど、トラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。

公式サイトや契約書に仮押さえ金に関する記載がなければ、利用する前に確認しておくことが欠かせません。

掛目と手数料のバランスを

ファクタリング会社を選ぶ際には、掛目と手数料のバランスが良いところを選ぶべきです。

仮押さえ金が必要であれば手数料は低く、仮押さえ金が不要であれば手数料が高めに設定されている傾向があります。

仮押さえ金は最終的に返金されるため、返金されない手数料を多く支払うよりも、仮押さえ金と少額の手数料を支払ったほうがコストダウンにつながるでしょう。

そのため、仮押さえ金と手数料のバランスをよく考え、最終的に手元に残る資金が多くなるところを利用するべきです。

ファクタリング掛目を知りトラブル回避を

ファクタリング掛目によるトラブルを回避するためには、「仮押さえ金」としての役割や意味、手数料との兼ね合いを知り、契約書の記載を確認することが重要です。

知識がないまま売掛債権譲渡を利用すると、予定通りに資金が手に入らない、仮押さえ金が返金されないなど、トラブルに発展する可能性があります。

ファクタリング会社を選ぶ際には、仮押さえ金に関する記載があること、手数料とのバランスが取れていることなどを確認しましょう。