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取引信用保険とファクタリングの違い|メリット・デメリットを解説

取引信用保険とファクタリングの違いがわからず悩んでいませんか。両者の特徴は大きく異なるので、正しく選んで利用することが重要です。このページでは、取引信用保険とファクタリングの違いとそれぞれのメリット・デメリットを解説しています。以下の情報を参考にすれば、どちらを選べばよいかわかるはずです。

目次

取引信用保険とファクタリングの違い

取引信用保険とファクタリングの概要は以下の通りです。

・取引信用保険
取引先が商品やサービスなどの代金を支払わないことで生じた損害(貸し倒れ損失)に対し保険金を支払う保険。あらかじめ保険契約を締結しておくことで債務不履行に備えられる。

・ファクタリング
企業から売掛債権を買取してくれるサービス。決済日を迎えていない売掛債権を現金化できる。

取引信用保険とファクタリングには次の違いがあります。

サービス内容

取引信用保険とファクタリングではサービス内容が異なります。

・取引信用保険:債務不履行で損害が生じたときに保険金を支払う
・ファクタリング:売掛債権を買い取る

取引信用保険はまだ起きていないリスクに備えるサービス、ファクタリングは目の前にある売掛債権を現金化して資金を調達するサービスといえます。

取引先の範囲

取引信用保険とファクタリングでは、取引先の範囲も異なります。
取引信用保険は、保険の対象になる取引先を自由に選べません。取引先の範囲は、一定の基準に基づき決められます(売上高上位20社など)。例えば、資金繰りが悪そうなA社だけを個別に指定するなどはできません。
ファクタリングは売却する売掛債権を自由に選べます。審査に通れば、特定の取引先の売掛債権を売却することや複数の取引先の売掛債権を売却することができます。自由度は非常に高いといえるでしょう。

取引信用保険のメリット・デメリット

取引信用保険のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

最も大きなメリットは、予想できない貸し倒れに備えられることです。万が一の際に保険金が支払われるので、資金繰りも安定しやすくなります。また、売掛債権の安全性が高まることで、金融機関や取引先における信用力も高まります。

デメリット

契約前に、取引先の与信審査がある点には注意が必要です。取引先の信用情報などによっては、契約内容に制限を加えられることや保険の対象にならないことがあります。「損害額=保険金額」とはならない点にも注意が必要です。支払われる保険金は、損害額に縮小率をかけて求めます。縮小率は90%程度が一般的です。

取引信用保険が勧められる会社

取引信用保険は、今後発生するかもしれないリスクに予算を組んで備えたい企業にお勧めです。毎期の保険料を支払うことで万が一に備えられるので、損害を予算化したい企業にお勧めと言い換えることもできます。

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

ファクタリングの最も大きなメリットは、売掛債権をスピーディに現金化できることです。ファクタリング会社によっては、その日のうちに現金化することもできます。売掛債権を売却するので借り入れには当たらないこと、保証人や担保を必要としないこと、信用情報に悪影響が及ばないことも魅力です。もちろん、資金の使途に制限はありません。

デメリット

気を付けたいデメリットとして、手数料がかかることが挙げられます。売掛債権をスピーディに現金化できる点は魅力ですが、手元に残るお金は少なくなってしまいます。この点を除けば、デメリットらしいデメリットは見当たりません。利用しやすいサービスといえます。

ファクタリングが勧められる会社

ファクタリングは、売掛債権を売却して資金を調達したい企業に向いています。特に、売掛債権の発生から支払いまでの期間が長い企業にお勧めです。早期に現金化することで資金繰りの悪化を防げます。病院や介護施設なども、ファクタリングと相性が良いと考えられています。売掛先(国民健康保険団体連合会など)の貸し倒れリスクがほぼないので、手数料を低く抑えられるからです。資金を調達したい場合は、積極的にファクタリングを活用するとよいでしょう。

取引信用保険とファクタリングの違いを理解して使い分けましょう

取引信用保険は貸し倒れ損失に対し保険金が支払われる保険、ファクタリングは売掛債権を現金化できるサービスです。取引信用保険はこれから起こるかもしれないリスクに備えたい企業、ファクタリングは売掛債権を売却して資金を調達したい企業に向いています。よく似た印象を受けがちですが、サービス内容は大きく異なります。貸し倒れに備えたい場合は取引信用保険、スピーディに資金を調達したい場合はファクタリングの利用を検討しましょう。