偽装ファクタリングとは｜偽装の手口と業者見極めのポイントを解説

新たにファクタリングを利用する方は、偽装ファクタリングに注意が必要です。偽装ファクタリングを利用すると、資金調達の代償に思わぬリスクを負ってしまう恐れがあります。このページでは、偽装ファクタリングの概要と業者見極めのポイントなどを解説しています。被害に遭う前に、確認しておきましょう。

目次

 偽装ファクタリングとは？

偽装ファクタリングは、正規のファクタリングを装った違法取引です。正規のファクタリングとは以下の違いがあります。 

正規のファクタリングの概要

正規のファクタリングは、ファクタリング業者が企業の売掛債権を買い取ります。つまり、企業は売掛債権を売却することで、資金を調達するのです。売掛債権に関する管理・回収のリスクはファクタリング業者が負います。万が一、売掛先が支払い不能になっても、企業が売掛債権を買い戻す必要はありません。 

偽装ファクタリングの概要

偽装ファクタリングも、ファクタリング業者が企業の売掛債権を買い取ります。企業は、正規のファクタリングと同じように、売掛債権を売却することで資金を調達するのです。ただし、ファクタリング業者は売掛債権に関する回収のリスクを負いません。売掛先が支払い不能になると、企業に売掛債権を買い戻させます。つまり、偽装ファクタリングの実態は、ファクタリングではなく、売掛債権を担保とする違法な貸付です。偽装ファクタリングは、闇金融のひとつということになります。 

2社間ファクタリングでは特に注意したい偽装の手口

偽装ファクタリングは、2社間ファクタリングで注意したい手口と考えられています。2社間ファクタリングとは、売掛債権を有する企業とファクタリング業者だけが契約を結ぶファクタリングです。 

企業はファクタリング業者から売掛債権の買取額を受け取り、売掛先から支払われた売掛金をもとにファクタリング業者へ売却額を支払います。これにより債権は消滅します。企業とファクタリング業者の2社で手続きを進めるため、売掛先にファクタリングの利用を知られることはありません。 

偽装ファクタリングは、以上の2社間ファクタリングで特に注意したい手口と考えられているのです。ファクタリングを利用する場合、どのような点に注意して、ファクタリング業者を選べばよいのでしょうか。 

業者を見極めるにはどうしたら良いか？

ファクタリング業者の中には、偽装ファクタリングを行っているところが紛れています。ほとんどのファクタリング業者は安全に利用できますが、念のため注意してください。売掛債権譲渡契約を結ぶときなどに、気を付けたいポイントを紹介します。 

償還請求権が付いている

売掛債権譲渡契約に償還請求権が付いている場合は、偽装ファクタリングに注意しましょう。償還請求権とは、売掛金を回収できないときに、その返済を求められる権利です。償還請求権が付いていると、もしものときに資金の返済を求められるかもしれません。契約前に、確認が必要なポイントです。 

金銭消費契約を結び、代表者などに連帯保証人になることを求める

ファクタリングは借金ではありません。売買契約に基づく取引なので、連帯保証人は必要ありません。したがって、金銭消費契約を結び、代表者などに連帯保証人になることを求める場合も、偽装ファクタリングである可能性が高く注意が必要です。 

契約書の控え、領収書などを受け取れない 

契約書の控えや領収書などの書類を受け取れない場合も、偽装ファクタリングに注意が必要です。正規のファクタリングの場合は、基本的にこれらの書類が発行されます。ほかにおかしな点がないか、確認するほうがよいでしょう。 

銀行通帳・銀行鑑などを預けなければならない

銀行通帳、銀行印などを預けなければならない場合も、偽装ファクタリングの可能性があり注意が必要です。もっともらしい理由を説明されるかもしれませんが、正規のファクタリングでこれらを預けることは基本的にありません。預ける前に、契約内容をチェックしましょう。 

急いでいても偽装ファクタリングに注意！

ファクタリングを利用するときは、偽装ファクタリングに注意が必要です。偽装ファクタリングとは、正規のファクタリングと同じ流れで進むものの、ファクタリング業者が回収リスクを負っていないもの、企業とファクタリング業者だけが契約を結ぶ、2社間ファクタリングで多いとされています。闇金融のひとつなので、十分な注意が必要です。偽装ファクタリングでは、償還請求権が付いていること、連帯保証人を求められること、契約書や領収書が発行されないことが多いようです。気になるファクタリング業者に相談して、これらのポイントをチェックするとよいでしょう。