HOME > ファクタリングコラム > ファクタリングと手形割引はどう違う?デメリットやリスクも確認
手形割引とは、まだ満期を迎えていない手形を担保にして融資を受ける仕組みのことです。一般的に、売掛金を利用した方法で商品などのサービスを提供すると、将来的に取り決めていた金額を支払うことを約束する「約束手形」と呼ばれるものが発行されます。
例えば、A社がB社から商品を購入し、この購入代金の一部を支払うことができないため、約束手形を発行して3ヶ月後にB社に代金を支払うと約束手形を発行したとしましょう。B社は3ヶ月後に約束していた代金を受け取ることができます。
しかし、B社も資金繰りが悪化しており、代金を支払うと約束された3ヶ月先後まで支払いを待てないケースがあるのです。ここで選択されるのが約束手形であり、B社は将来的に支払いが約束されているA社から受け取った約束手形を担保にして金融機関などから融資を受けることができます。
便利なサービスではありますが、利息や手数料が発生するため、満期まで待ってB社から代金を受け取るのに比べると受け取れる金額が減るのが特徴です。
どちらもとても似ていますが以下のような違いがあります。
手形割引は約束手形の譲渡であるのに対し、ファクタリングは売掛債権の譲渡であるといった大きな違いがあります。手形割引は、その名の通り、約束手形の利息分を割り引いて現金化してもらえる仕組みであり、ファクタリングは売掛債権から手数料を引いた金額を現金化する仕組みです。
手形割引は、融資の一つであるため、万が一、不渡りを避けるためにも保証能力を審査されます。そのため、審査は厳しいといえるでしょう。不渡りが発生し、担保の価値がなくなった場合には借りた金額を返済しなければなりません。
一方、ファクタリングの場合は売掛金を支払う企業の信頼性が高いかどうかを重視します。そのため、例え売掛金を売却しようとしている自社の経営状態が悪化していたとしても審査に影響を与えることは基本的にありません。
ファクタリングは手形割引とは異なり、融資ではなく債権買い取りの扱いになるため、不渡りが発生した際に返済する必要がないのも大きなポイントです。
手形割引は銀行だと年に1%~5%程度、貸金業者の場合は年5%~20%程度の手数料がかかります。一方で、ファクタリングの場合、自社とファクタリング会社のみで行う2社間契約は10%~30%、売掛金を支払う企業も加えた3社間契約の場合は1%~10%程度です。
ファクタリングの手数料である10%~30%というのは年率で換算すると120%~360%にもなってしまうので、手数料で見た場合には手形割引の方が有利だといえます。
どちらが向いているかは企業によって異なりますが、基本的にはファクタリングをおすすめします。なぜなら、手形割引には以下のようなデメリットやリスクがあるからです。
手形割引では、将来的に支払うと約束してもらった金額の支払い日を待つ形になります。しかし、数ヶ月後に支払ってもらえるはずだったものの、その間に手形の発行元が倒産してしまい、債務不履行になる恐れもゼロではありません。ファクタリングならこの場合でも返済をする必要はありません。
ファクタリング会社の中には、最短即日で対応してくれるところもあり、大変助かりますが、基本的に手形取引の場合はそれよりも時間がかかります。
何としてでも今すぐに現金化しなければならないと悩んでいることにとって頼りなるのはファクタリングだといえるでしょう。
契約書の印紙代として支払う印紙税は、ファクタリングでは基本的に不要です。これは、印紙税が必要になるのは紙の契約書が必要になる場合であり、ファクタリングはほとんどが電子契約や電子決済サービスに対応しているためです。
印紙税が発生するとしても契約書に貼るもののみとなっているのですが、手形取引を行う場合には、契約書の他にも領収書と手形それぞれに印紙を貼らなければならないため、高く付きます。
ご紹介してきたように、ファクタリングと手形取引は似ているようで様々な違いがあります。どちらが向いているかは各企業によって異なるので、よく検討が必要です。
ただ、比較してみるとファクタリングのほうが優れているポイントが多いので、検討してみてはいかがでしょうか。まずはファクタリング会社に対して相談してみることをおすすめします。