保証ファクタリングとは｜仕組みやメリットなどを解説します

保証ファクタリングとは

最初に、保証ファクタリングの全体像を解説します。

売掛債権に保険をかけたサービス

保証ファクタリングは、納入企業の売掛債権に保険をかけられるサービスです。支払企業の経営破綻で売掛金を回収できなくなった場合、ファクタリング会社が保証限度額内で保証金を支払ってくれます。一般的なファクタリングは売掛債権を買い取りますが、保証ファクタリングは売掛金を買い取りません。万が一のときに、売掛金を保証してくれる点が特徴です。

与信管理をアウトソーシング

保証ファクタリングでは、支払企業の信用力を調べる与信審査が行われます。保証ファクタリングには、与信管理をアウトソーシングできるという側面もあります。売掛金を回収できなくなったときに支払われる保証金の上限は、基本的に与信審査をもとに決まります。よって、売掛金の100％を保証してくれるとはいいきれません。与信審査の結果によっては、100％未満になることもあります。

保証ファクタリングの仕組みと流れ

保証ファクタリングは、どのような仕組みなのでしょうか。保証ファクタリングの流れを紹介します。

ステップ1：支払企業へ商品・サービスを提供

納入企業が、信用取引（後払い）で支払企業に商品・サービスを提供します。これにより、納入企業には商品やサービスの代金を回収できる売掛債権が発生します。

ステップ2：保証ファクタリングの申し込み

納入企業が、ファクタリング会社へ保証ファクタリングを申し込みます。

ステップ3：ファクタリング会社が与信審査

申込を受けたファクタリング会社が、支払企業の信用度を審査します。審査の結果により、保証限度額と保証料が決まります。支払企業の信用力が著しく低い場合は、保証ファクタリングを利用できないこともあります。

ステップ4：保証契約の締結

支払企業の与信審査に問題がなければ、納入企業とファクタリング会社で債権保証契約を締結します。これにより、売掛債権に保険がかけられた状態となります。

ステップ5-1：支払企業から売掛金を回収

支払企業は納入企業に商品やサービスの代金を支払います。代金の支払いを受けた納入企業は、ファクタリング会社へ保証料を支払います（保証料支払いのタイミングは契約で異なります）。

ステップ5-2：売掛金を回収できない場合は保証金の支払い

支払企業から売掛金を回収できず、その理由が保証金の支払い条件に合致する場合は、ファクタリング会社から納入企業に保証金が支払われます。

保証ファクタリングのメリット・デメリット

保証ファクタリングには、メリットとデメリットがあります。これらについて解説いたします。

メリット

保証ファクタリングの大きなメリットして、貸し倒れリスクを回避できる点が挙げられます。取引金額が大きい支払企業が倒産して貸し倒れが発生すると、自社にまで深刻な影響が及びます。このようなリスクを回避できることが保証ファクタリングの魅力といえるでしょう。

デメリット

保証ファクタリングのデメリットは、支払企業が倒産などしなくても保証料を支払わなければならないことです。貸し倒れリスクを回避できる点は魅力ですが、保証ファクタリングを利用しない場合に比べると手元に残るお金は減ってしまいます。ちなみに、保証料は支払い企業の信用力で変動します。

保証ファクタリングがおすすめの人

保証ファクタリングは次の企業などに向いていると考えられます。

自社で与信管理できない企業

保証ファクタリングは、自社で与信管理できない企業に向いています。ファクタリング会社が与信審査を行ってくれるからです。また、売掛金も保証してくれるので、支払い企業の信用力を気にしなくて済みます。

売掛金の回収に時間がかかる企業

売掛金の回収に時間がかかる企業にも保証ファクタリングは向いています。売掛金の回収に時間がかかると、その間に支払企業の経営状態が悪化することなどが考えられるからです。このような特徴のある建築業界で、保証ファクタリングは幅広く利用されています。ちなみに、国土交通省は、下請け建設業者、資材業者を対象に、保証ファクタリングの保証料の一部を軽減する下請け債権保全支援事業を行っています。

保証ファクタリングは売掛債権に保険をかけられるサービス

保証ファクタリングは、売掛債権に保険をかけられるサービスです。支払企業が倒産した場合などに、ファクタリング会社から保証金を受け取れます。売掛債権を保証する点が、売掛債権を売買する通常のファクタリングと異なります。保証ファクタリングのメリットは、貸し倒れリスクを回避できることです。自社で与信管理できない企業や売掛金の回収に時間がかかる企業は、利用を検討するとよいでしょう。