2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは

2社間ファクタリングとは、債権買い取り会社と利用会社の2社だけで契約を行う方法です。

登場した経緯

2社間ファクタリングは、平成10年10月1日に債権譲渡登記制度が設立されたことにより登場しました。

以前は債権買い取り時に必ず売掛先が関わる必要がありましたが、権譲渡登記制度の設立で売掛先が関与しない状況下での契約が可能となったため、2社のみでの債権買い取りが行われるようになりました。

債権譲渡登記制度設立前と後の違い

債権譲渡登記制度設立前と後の違いは、買取した売掛債権が債権買い取り会社のものであると証明するために売掛先の同意が必要か否かです。

債権譲渡登記制度設立前は、売掛先の同意がないと買い取りをした債権がファクタリング会社のものと証明できず、2社間の契約は成り立ちませんでした。

しかし制度設立後である現在では、売掛先の同意がない状態で行われた債権買い取りであっても、債権買い取り会社のものであると証明が可能であり、売掛金の請求や催促を行うことができます。

制度が設立したことにより「2社間ファクタリング」という契約が誕生しましたが、誕生の経緯には「売掛先の同意の必要性」という大きな違いが存在していました。

2社間ファクタリングの仕組み

2社間ファクタリングは、債権買い取りの依頼をし、審査通過後に登記（契約内容によっては登記を行わない場合もある）を行い、利用会社に買い取り金額が支払われるという仕組みです。

1．債権譲渡を申込む
2．債権買い取り会社が債権譲渡登記を行う（契約内容によっては登記を行わない場合もある）
3．買い取り金額を利用会社に支払い
4．売掛先が利用会社に支払期日通りに支払い
5．利用会社が債権買い取り会社に売掛金を支払い

契約の際に利用会社からの売掛金回収のため、代金回収の業務委託契約も行われます。

そして、売掛先から利用会社に支払いがあった後、売掛金をそのままファクタリング会社に支払って終了です。

上記の流れでわかる通り、売掛金の支払いが利用会社に対して行われるため、売掛先に債権譲渡契約が伝えられることはなく、取引のすべてが2社間で完結します。

2社間ファクタリングのメリット

2社のみによる債権買い取りには以下のメリットがあります。

売掛先に伝える必要なし

売掛先に債権譲渡を行う事を伝える必要がないことは大きなメリットです。

債権譲渡が知られると拒否される可能性もあり、自社にとっては取引停止や発注量減少などのリスクもあります。

売掛先に知られることなく債権譲渡を行えることは、経営の安定化にとって重要なポイントです。

即日買い取りが可能

2社間ファクタリングは審査スピードが早く、即日買い取りも可能です。

売掛先に通達し許可を得る必要がないため、審査が早く終わり、結果的に買い取り金額を早く受け取れるようになります。

即日買い取りも可能であることは、早急に資金を必要としている企業にとって最大のメリットとなるでしょう。

2社間ファクタリングのデメリット

2社だけでの債権買い取りにはメリットばかりではなく、デメリットも存在します。

手数料が高い

2社間ファクタリングは3社間と比較して手数料が高くなります。

3社間よりも回収不能リスクが高くなることから、回収不能による損失に備え、手数料で損失を軽減しようとするためです。

３社間よりも5％～10％ほどの手数料が多く必要となり、3社間と比較した際の最大のデメリットとなります。

利用会社の信用も重要視されている

売掛先だけでなく、利用会社の信用が審査に影響を与えることもデメリットとなり得るでしょう。

2社間では一時的に売掛金が利用会社に渡り、そのまま支払われないケースもあるため回収不能リスクが高くなることから、利用会社の信用性も加味した審査が行われます。

2社間ファクタリングに適しているケース

2社だけでの債権買い取りに適しているのは、以下のようなケースです。

早く現金が必要

一刻も早く資金が必要なら、即日買い取りも可能な2社間ファクタリングが適しています。

3社間では審査に時間がかかり、売掛先の判断によっては利用できないこともあるため、資金調達を急いでいるのであれば2社だけでの債権買い取りがおすすめです。

売掛先に知られたくない

債権譲渡の事実を売掛先に知られたくない場合も、2社だけでの契約が最適です。

売掛先に知られた場合、今後の取引への影響が懸念されますが、2社だけでの債権買い取りであれば知られることはなく不安はありません。

ファクタリングに不安があるなら2社間を

ファクタリングの利用に不安があるなら、2社間での契約をおすすめします。

債権買い取りが売掛先に知られた場合、取引先との関係に悪影響を及ぼす可能性もあり、今後の経営に影を落としかねません。

手数料の高さや自社の信用情報を調査されるなど、デメリットも存在するため安易に利用することは危険ですが、早急に資金が必要な状況であれば2社での契約を検討しましょう。