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3社間ファクタリングとは

3社間ファクタリングとは、債権買い取り会社・利用会社・売掛先の3社で契約を行う債権譲渡です。

2社間と3社間のどちらが適しているかは利用会社の状況により異なるため、それぞれの仕組みなどをよく把握してから検討しましょう。

そこで今回の記事では、3社間ファクタリングの仕組みやメリットデメリットについてご紹介します。

目次

3社間ファクタリングとは

3社間ファクタリングとは、債権買い取り会社・利用会社・売掛先会社の3社により契約が行われる売掛債権譲渡契約のことです。

3社間が基本の契約方法

売掛債権譲渡契約においては、もともと3社で行われることが基本とされていました。

平成10年に「債権譲渡登記制度」が設立されるまでは、売掛先企業の同意がなければ債権譲渡の証明が行われず、必ず3社で契約を行う必要がありました。

債権譲渡登記制度の設立により、売掛先企業の同意なしで債権譲渡の証明が行える「2社間ファクタリング」が登場しましたが、今でも大手金融機関が採用するなど、基本的な債権譲渡契約として利用されています。


3者間ファクタリングの仕組み

3社間ファクタリングは3社で契約を行うものの、買い取り代金を受け取った後は売掛先と債権買い取り会社の2社での取引になるという仕組みです。

全体的な流れは、利用会社が債権買い取り会社に申込みをし、売掛先から承諾を得た後、利用会社へ買い取り代金が支払われるというものです。

1.利用会社が債権買い取り会社へ債権買い取りの申込
2.利用会社が債権譲渡の承諾を売掛先に交渉
3.売掛先が債権譲渡を承諾
4.債権譲渡契約
5.債権買い取り会社が利用会社へ買い取り代金の支払い
6.売掛先が請求書の期日通りに債権買い取り会社へ支払い

利用会社は債権買い取りの申込みをした後、売掛先へ債権譲渡の承諾を得るための交渉が必要です。

売掛先から債権譲渡の承諾を得られた場合、売掛先の署名・捺印がされた承諾書を債権買い取り会社に提出してから審査を受け、審査通過後に買い取り代金を受け取ることができるようになります。

売掛代金は利用会社ではなく債権買い取り業者に支払われるため、利用会社は買い取り代金の支払いまでしか関与しません。


3者間ファクタリングのメリット

3社で行われる債権譲渡には以下のメリットがあります。

手数料が安い

3社間ファクタリングは、回収不能リスクが低いため2社間に比べて手数料が安めに設定されています。

2社間の手数料は10%以上が相場ですが、3社での契約であれば1~5%程度に抑えられており、手数料の低さは3社で債権譲渡契約を行うことの最大のメリットです。

売掛代金の回収が不要

3社での債権譲渡では、利用会社による売掛代金回収が不要です。

売掛先は債権買い取り会社に直接売掛代金を支払うため、支払いに利用会社が関与することはなく、万が一不払いが発生しても弁済の必要はありません。

売掛代金回収・弁済の必要がないことも大きなメリットとなります。


3者間ファクタリングのデメリット

3社による売掛債権譲渡のデメリットを確認していきましょう。

現金化まで時間がかかる

3社間ファクタリングは2社間と比較して、買い取り代金を受け取るまでに日数が必要です。

2社間では売掛先の承諾が必要ありませんが、3社による契約では必要となるため、承諾を得るための交渉期間や承諾書作成などに数日かかることも珍しくありません。

買い取り代金支払いまでに数日を要することもあり、早急に資金が必要な企業にとっては時間がかかりすぎると感じられるでしょう。

売掛先の関係悪化の可能性

売掛先を含む3社による債権譲渡契約は、売掛先と自社との関係が悪化する可能性も孕んでいます。

売掛債権譲渡の利用によって経営が悪化していると判断され、取引停止・発注量減少などのリスクがあり、その後の取引や関係性に悪影響を及ぼすことも考えられます。

個人事業主や中小企業は利用しにくい

個人事業主や中小企業では、3社間ファクタリングの利用が困難です。

3社による債権譲渡契約は小規模の企業にとって売掛先の承諾を得られにくいことが理由となります。

規模が小さな企業であれば、3社での債権譲渡契約は利用しにくいと感じられるでしょう。


3社間ファクタリングに適しているケース

3社間ファクタリングの利用に適しているのは次のようなケースです。

スピードを求めていない

資金繰りに余裕があるのであれば、3社間ファクタリングの方がおすすめです。

3社での契約は買い取り代金支払いまでに時間がかかりますが、手数料は低く抑えられているため、結果的に手元に残る現金が多くなります。

今すぐに資金を必要としていないのであれば、3社による債権譲渡契約を行いましょう。

売掛先の同意が得られる関係

売掛先から債権譲渡の同意が得られる関係性である場合も、3社での契約が適しています。

3社間ファクタリングを行うためには売掛先の同意が不可欠であるため、同意が得られる信頼関係が築けているようであれば、3社での契約が良いでしょう。

手数料を安くしたい

なるべく手数料を抑えたいなら、3社間ファクタリングの利用をおすすめします。

2社間での契約と比較すると手数料の利率には大きな差が生じるため、売掛先に承諾の交渉を行ってみる価値はあります。


3社間ファクタリングは厳しい面が多いがメリットもある

3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要なことから、2社間と比較して条件が厳しくなりがちです。

しかし、手数料の低さや売掛代金不払い時に弁済の責任が生じないことなど、3社での債権譲渡契約でなければ得られないメリットもあります。

売掛先から承諾を得られれば、資金繰り改善に大きな効果が期待できるため、ぜひ一度検討してみてください。