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ファクタリングと電子債権(でんさい)の違い・特徴とは?

ファクタリングについて検討している方の中には、電子債権と似たようなものだと考えている方がいるようですが、様々な違いがあります。

どちらを利用するのが向いているのか分からない方のために、それぞれの特徴やメリット、デメリットについてご紹介するので、参考にしてみてください。

目次

電子債権とは?

電子記録債権、「でんさい」とも呼ばれるものであり、債権を電子データに記録することによって債権の発生、または譲渡を行えるようにする仕組みのことです。
全国銀行協会が出資して作られた株式会社全銀電子債権ネットワークが運営している「でんさいネット」と呼ばれるネットワークシステムによって管理されています。

電子債権の仕組み

利用するためには、でんさいネットへの加入が必要です。

でんさいネット上にある記録原簿に金額や商品、支払い期日など発生した売掛金情報を登録します。譲渡する際には同じく記録原簿に譲渡記録を行うのが基本的な利用方法です。

売掛金が支払い期日になれば、支払い先である企業の口座より自動的に譲渡先の企業に売掛金が送金される仕組みとなっています。

ファクタリングと電子債権の違い

売掛金に関する取引であり、実際の支払い期日よりも早期に現金化できるのは共通の特徴ですが、次のような違いがあります。

資金調達にかかる時間

資金調達に必要なスピードは、ファクタリングが最短で即日であるのに対し、電子債権は最短でも8日ほど、長いと2週間程度かかるといった違いがあります。
できる限り早期に資金調達したいと考えている方は、資金調達にかかる時間が異なる点に注意が必要です。

返済義務

万が一、売掛金の支払い元である取引先が倒産した場合、支払い義務を負わないファクタリングとは違い、電子債権は返済義務があります。
そのため、電子債権利用時は貸し倒れリスクについても理解しておかなければなりません。

審査

どちらも審査はありますが、ファクタリングは売掛先である取引先の信用情報が重視されるため、受け取り企業で税金の滞納や赤字などが発生していてもほとんど影響がありません。
一方で電子債権は売掛先だけでなく、受け取り企業が信用できるかもきちんと審査されるといった違いがあります。

ファクタリングのメリットとデメリット


メリット

ファクタリングは電子債権とは違い、素早い現金化を行える点が大きいメリットです。そのため、一刻も速く資金調達をしなければならないようなシーンで選ばれています。
また万が一、売掛先が倒産してしまった場合でも返済義務を負わない点も見逃せません。実際に売掛先が倒産して返済義務が発生する場合、事業存続に関わる痛手に繋がるケースもあるでしょう。こういったリスクを避けることができます。
それから、2社間ファクタリングと呼ばれる方法を選択すれば、取引先に知られることなく利用が可能です。

デメリット

デメリットとして挙げられるのが、手数料が高いということ。3社間取引を利用すれば手数料を抑えられますが、こちらの場合は取引先に知られる形となります。
また、ファクタリングサービスを行っている会社の中には悪質なものもあり、詐欺の被害が報告されることもあるので注意が必要です。悪質な業者を避けるために、利用するサービスについてはよく検討しなければなりません。

電子債権のメリットとデメリット


メリット

メリットの中でも大きいのが、手数料が安い点です。これには事前にきちんとした審査を行い、信頼できる企業のみが利用できるサービスであることも関わっています。
また、銀行が出資して作られたサービスであることからセキュリティシステムが十分に整備されていて、信頼度が高いのは大きなメリットだといえるでしょう。

デメリット

デメリットとして気をつけておかなければならないのが、利用するためには自社だけでなく、取引先もでんさいの契約をしなければならないということ。すでに取引先が電子債権取引を導入していれば良いのですが、そうでない場合にはその他の方法を選択するか、導入を依頼しなければなりません。実際に、普及率はそれほど高いとは言えない状況です。
こういった特徴があることから、当然ながらサービスを利用すれば取引先に知られます。
それから、現金化までに時間がかかることや審査があること、売掛先が倒産した場合には返済義務があることなどもデメリットです。


それぞれの違いをよく理解した上で選択を

ファクタリングと電子債権の違いや、メリット・デメリットについてご紹介しました。どちらが向いているかは利用者によっても異なるので、自社に向いている方を選択しましょう。
できる限り早い段階で現金化したい方や、相手の企業がでんさいに対応していない場合でもファクタリングなら利用できるので、多くの方から選ばれています。

急いで資金調達が必要な方も利用してみてはいかがでしょうか。