ファクタリングと銀行借入の違いとは？それぞれの特徴を解説

ファクタリングと銀行借入の特徴や違いについて解説します。
ファクタリングは融資ではなく「売掛金買取」となることから、銀行による融資とは性質が異なり、仕組み・返済期間・返済方法・上限額などに違いが現れます。資金調達を検討しているなら、それぞれの方法の特徴について把握し、最も自社に適した資金調達法を選択しましょう。

目次

ファクタリングとは

ファクタリングの特徴や種類、仕組みについて見ていきましょう。

ファクタリングの特徴

ファクタリングとは、未回収の売掛金を売ることで資金を調達する方法のことです。回収期限が訪れていない売掛金を業者に買取してもらうことで、入金予定日を待たずとも現金化が可能となります。買取であることから、受け取った現金を返済する必要はありません。

早ければ即日に現金化することができ、審査は売掛先に対して行われるため、赤字・リスケ中でも利用可能。資金繰りが悪化した企業から有効な資金調達法として注目を集めています。

ファクタリングの種類

ファクタリングの種類は「二社間」と「三社間」の2種類です。

二社間は申し込み企業と業者の二社のみで取引を行うことに対して、三社間では申し込み企業・売掛先企業・業者の三社を交えて取引を行うことになります。

二社間ファクタリングの仕組み

二社間での取引の流れは次のとおりです。

1．申し込み企業と業者間で契約を結ぶ

2．売掛先に対して審査が行われる

3．申し込み企業は業者から現金を受け取る

4．売掛先企業から申し込み企業に売掛金が支払われる

5．申し込み企業から業者に売掛金を入金する

売掛先は取引に参加しないので、売掛金買取を利用したことが売掛先に知られることはありません。二社間での取引では、一旦売掛金が申し込み企業に支払われた後、支払われた売掛金を業者に渡すという流れになります。

三社間ファクタリングの仕組み

次に、三社間での取引の流れについて見ていきましょう。

1．申し込み企業・業者・売掛先で契約を結ぶ

2．売掛先に対して審査が行われる

3．申し込み企業は業者から現金を受け取る

4．売掛先は業者に売掛金を入金する

売掛先を含む取引になるため、売掛院買取の利用が売掛先に知られることとなり、現金化が少々遅くなりますが、手数料は二社間よりも低めに抑えられます。売掛先から業者に対して売掛金が支払われる流れることから、業者から現金を受け取った後は、申し込み企業は取引に参加しません。

銀行借入とは

銀行借入の特徴と種類、仕組みについて解説します。

銀行借入の特徴

銀行借入とは、メガバンク、地方銀行などから融資を受ける資金調達法です。借入にはさまざまな種類があり、種類により特徴は異なりますが、いずれも審査は自社の経営状況や信用力に対して行われるため、自社の経営が悪化している際には審査に通過できないこともあります。

また融資である以上、必ず返済が必要となることもファクタリングとの違いです。債権の買取である売掛金買取とは異なり、「現金を借りる」というスタンスである銀行借入は、受け取った現金に利子を加えて返済する必要があります。

銀行借入の種類

銀行借入は、主に「プロパー融資」と「保証付き融資」の2種類にわけられます。

プロバー融資は銀行と申し込み企業のみで行われる融資で、ファクタリングで言えば「二社間」に近いものですが、保証付き融資は銀行・申し込み企業・信用保証協会の間で融資が行われます。

プロパー融資の仕組み

プロパー融資の仕組みは次のとおりです。

1．金融機関に融資を申し込む

2．金融機関から審査受ける

3．審査に通過した後に融資を受ける

4．金融機関に返済を行う

プロバー融資は銀行のみと直接取引を行うことから仕組みがシンプルで低金利ですが、審査期間が長く審査通過率が低いというデメリットがあります。

保証付き融資の仕組み

保証付き融資の仕組みについて解説します。

1．金融機関に融資を申し込む

2．金融機関から信用保証協会に保証が申し込まれる

3．金融機関へ保証の承認が行われる

4．申し込み企業が保証料を支払う

5．金融機関から融資を受ける

6．金融機関へ返済を行う

信用保証協会に保証料を支払わなければならないため、コストがかかることがデメリットとなりますが、信用保証協会が保証人となることから、プロパー融資より審査通過率が高いことがメリットです。

ファクタリングと銀行借り入れ（融資）の違い

ファクタリングと銀行借入の違いは主に次の3つです。

上限金額の違い

売掛金買取と銀行借入では、上限金額が異なります。銀行借入れの上限金額は企業の利益や資本金の構成から算出して決定されますが、売掛金買取では上限が設定されていない場合も少なくありません。

「売掛金の買取金額＝上限金額」となるため、通常の銀行融資よりも多額の現金を受け取れる可能性もあるでしょう。

返済方法の違い

ファクタリングでは返済が必要ありませんが、銀行借入では返済が必要だという違いがあります。

銀行借入は「資金を借りている」状態であることから返済が発生しますが、売掛金買取は「債権の買取」であることから、資金を受け取った後に返済義務が生じません。二社間においては、受け取った売掛金を業者に支払った時点で取引は完了となります。

返済期間の違い

返済期間も銀行借入とファクタリングの違いのひとつです。

前述のように、売掛金買取には返済の必要がないことから返済期間はなく、支払期限に入金された売掛金を業者に渡した時点で、実質的な返済は完了となりますが、銀行借入では1～20年程度が返済期間となります。

資金調達法はファクタリングがおすすめ！

売掛金買取と銀行借入を比較すると、さまざまな面でファクタリングの方が有利だと考えられます。売掛金買取は融資ではないため返済の必要がなく、上限金額が存在しないことも少なくありません。

また、保証料が不要であること、自社に対して審査が行われないこともファクタリングのメリットのひとつです。まずはそれぞれの特徴を把握することが大切ですが、資金調達のためにはファクタリングが有利だといえるでしょう。